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「For Gyumri」を聴いて

“満開のコブシ” モノクロにしてみました
2020春、コブシmono

前ログの続きです。
前回、Tigran Hamasyanのアルバム「An Ancient observer」について感想を書きました。
今回は、ミニアルバム「For Gyumri」について。

5曲、25分くらいしかないアルバムですが、はじめに「絶対買おう」と思ったのは、このアルバムでした。
少ない曲数でも、ひとつひとつがなんとも言えず、すばらしかったです。
これもピアノソロで、効果として本人の声または他人のコーラスが入っているところは、「An Ancient observer」と共通します。
アルバムの流れの世界感でいえば、「An Ancient observer」のほうがスケールが大きくてよいと思うのですが、「For Gyumri」は、自分の内面を見つめるような、深さとメランコリックな郷愁、さみしさ、というか、そういうものがありますね。聴きながら、幼年時代の風景とか、とにかく、「もう失ってしまったもの」のイメージがわいてきます。

そしたら、本人インタビューをweb上で見かけると、やっぱり、本人にとっても、そういうイメージだったみたいですね。
Gyumriは、幼年時代を過ごした生まれ故郷で、今はもう、街にそのころの面影はあまりなくなっているのだそうです。
まさしく、もう頭の中だけになってしまったものを奏でていて、それが、聴いている者にほんとうに「自分のこと」として変換され、自分の感性の中に入ってくるのは、面白いです。


5曲、どれもいいんですが、説明すると
1 Aragatz
  おそらく、アルメニアのアラガツ山のことだと思う。
  男性コーラスが効果的。寂しくて優しい、といってもわからないかも
  だけど、わたしならこれをウイスキーかブランデーのCMに起用したい。
  「○○○、15年。」とか言ってみたい。

2 Rays of Light
  ふわっとしたピアノが、キラキラする陽光のようなイメージ。
  雲間から漏れる太陽の光は、水面に反射して、過去の風景を
  一瞬よみがらせる。
  そういうイメージで、ぜひ、ショートムービーを作ってみたい。
  おそらく流れる雲、太陽の光、揺れる麦穂、佇む人をモノトーンで
  スロー気味に撮れば、この曲がいい作品にしてくれると思う。
  音楽が意味付けをしてくれる。そのくらい、大きな力を持っている。

3 The American
  演奏の途中で口笛がいい感じで入ってきて、これは風来坊、ボヘミアンな
  人物が風のように登場したのかもしれない。それが、街にやってきた
  The Americanなのか。きっと魅力的な人物だね。

5 クラシックっぽい。ストラビンスキーとかの。でも、流れを変える時、
  気づけばジャズのコードで変わっていく。いい曲。

それにしても、つくづく、自分は「さみしくてやさしい。時々激しい」っていう音楽に弱いなぁ、と思います。


Rays of Light
わたしの腕でもショートムービーが作れるんじゃないかという
錯覚を覚えるほど、この曲の持つイメージは雄弁だと思う。

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