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金刀比羅宮 書院の美

‘大門’ 365段。ここからまだ歩きます。
金刀比羅山門080126
La puerta grande

‘展覧会の看板’
看板080126

さて、うどん屋から琴平町は思ったよりずっと近く、香川県のスケールをこのへんで実感しながら車を降り、こんぴらさんへ歩き出しました。
参道ならではの、昔ながらの町並みは風情があるものだったけど、本宮まで785段の苦しい道のりを往くことに、参拝する人のご利益への執念を感じます。展覧会がある書院は500段あたりにありましたが、ここまででもう、かなりバテました。


‘金刀比羅宮 書院’
書院080126
Shoin de Kotohira-gu
Me he impresionado mucho los dibujos antiguos que se intentaron
aprovechar el construccion, estan libre del marco.

展覧会は書院にて開催されていました。表書院と奥書院、白書院とがつながった構造になった建築で、靴を脱いで畳の間に入っていくわけですが、まず表書院から、丸山応挙の作品を中心に墨絵の襖がいくつかありました。全体的に墨が余白を強調して、すっきり明るい印象でした。たぶん、部屋が南向きだからですかね。
裏書院は、対照的に色絵の襖が並びます。岸岱と伊藤若冲の作品が主で、こちらは華やかな世界。北東側にあります。
さらに東の白書院に入ると、現代作家の田窪恭治さんの製作途中のヤブツバキが襖を超え、長押の上の壁にまで広がっていました。最終的にどんな空間になるのか楽しみですね。
以下、印象に残って思ったこと。



◆表書院
鶴の間、虎の間、七賢の間、山水の間二の間、山水の間上段の間〔以上、円山応挙〕、富士一の間、富士二の間〔邨田丹陵(むらたたんりょう)〕。
虎の間の、応挙が描いた虎やヒョウは、ふわふわしてて、ちょっと猫みたいだけどとても丁寧に描かれていて、大変かわいい。一部屋に描くとしては、大サービスじゃないかと思うほど、何匹も描かれていました。
さらに、山水の間の滝がダイナミックですばらしかったのだけど、この水は、外の庭の池に流れ込むいう趣向だったんですね。うーん、最初から知っておけば‥‥。知らなくても十分な迫力だったけれど。
邨田丹陵が描いた富士山は、明治時代のものなので、比較的現代に近いけど、余計な物が一切なく、すっきりしていて、部屋全体に廻って行く稜線がとても美しかった。これは、やったもん勝ちだなあとも思ったり。次の間の「富士巻狩図(ふじのまきかりず)」で、細密に狩人を描いていて、これと富士とは関係ないと思ってたら、どうも、この部屋から隣りの部屋の富士を見て、遠近を感じるように作られてたみたい。ふすま絵には、こんなふうに建築を計算した趣向を考えて、枠にとらわれない楽しみもあるんですねえ。昔の人の粋を感じます。

◆奥書院
若冲の絵は、花丸図といって、図鑑のように季節の花々を部屋の壁という壁に描いています
この上段の間にお通しされる方はどんな方だろうか、とても普通の身分では入れないのでは、という高貴な雰囲気を感じました。ただ、絵そのものは、江戸時代にこんな花がもうあったのかな、くらいで、彼の他の作品に比べどう、というものではなかったように思います。
岸岱の作品は稚松が描かれた春の間、菖蒲の間、柳の間の絵がありましたが、より緻密ですね。柳は瑞々しい緑の葉がたっぷりで、夏向きだなあと感じました。だったら、先ほどの菖蒲の間は晩春から初夏で、春の稚松と、若冲の花丸図はもちろん春。では、冬は?表書院の鶴、新年だったら富士‥‥というように、どんどん想像が巡ります。
そうすると、ちゃんと冬に南側、夏に北側、になるんですよね。
一部屋ずつ違ったテーマを持ち、そのときの訪問客や季節によって、お通しする部屋を選ぶ楽しさと趣向を思いました。

◆白書院
田窪恭治氏により今製作中だとのことで、長細い空間に椿がちりばめられてましたが、こうやって、江戸―明治―平成、と、新しい作品も加えて未来の文化財を確保するのも、大きな神社仏閣の役割なんだろうと思いました。完成したらまた見てみたいです。

目当ては奥書院の作品でしたが、見終わってみると、個人的には表書院の作品がよかったなという印象です。あのすがすがしさは、庭を見ながら部屋に入り、自然光で見たからでしょうか。または今が冬だからでしょうか。応挙と丹陵の力量を改めてすばらしいと思いました。自分が客人なら、あの清廉なモノトーンの世界に招かれたいですね。

| アート arte | 23:30 | comments:2 | trackbacks:2 | TOP↑

COMMENT

なるほど〜

書院の間取りと描かれている絵にそんな関係があるとは!
目からうろこです。
さすがsueちゃん!
確かに季節に合わせてふすまを取り替えるわけにもいかないから(いや、やってるところもあるかもしれないけど)、部屋ごとにちがう趣の絵を描いてお客人をお通しするのは理にかなってますね。
これからは部屋の向きも気をつけながら絵を見てみます。

| やへ | 2008/02/03 08:39 | URL | ≫ EDIT

いえいえ

見ている時は気付かなかったんですが、後でなんとなくそう思ったんですよ。ただ、やへさんのブログの、作品をリンクしてあるところには、ちゃんとその部屋が何のための部屋だったか記述がありますね。これ知らなかった。
私の勝手な見方はその記述と合致しているとは言えないような気もします。でも、夏は奥に、冬は表に招く楽しみがあるように思いました。

| sue | 2008/02/03 19:37 | URL | ≫ EDIT















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